立替社会保険料や従業員貸付金の回収方法(賃金全額払いの原則)

2021年12月12日By kawasaki法令, 通達, 判例

今回は、賃金全額払いの原則といわゆる「調整的相殺」の関係について解説していきます。 実務的には、①従業員への貸付金を毎月の賃金から控除する場合や、②長期休職から復職しないまま退職する場合において、会社が立て替えてきた社会保険料を退職金から控除したりするケースで問題が生じますので、心当たりのある事業者様は是非ご一読ください。   1.賃金全額払いの原 … 続きを読む

一時帰休と休業手当・賃金補償の関係

2020年5月19日By kawasaki判例

1.聞きなれない「一時帰休」という表現 コロナ禍の影響で「一時帰休」という言葉を見分する機会が随分増えたと思いますが、「一時帰休」の法的位置付けを正確に理解されている方はそれほど多くないのではないかと思っています。 かくいう私も、今回の報道をきっかけに整理し直した口で、「一時帰休」といえば主に大企業、特に製造業における生産調整の手段として高度成長期からバブル … 続きを読む

事業場外みなし労働時間制の適用が認められた事例

2019年10月24日By wpmaster判例

事業場外労働のみなし労働時間制とは、営業職のように事業場外で業務に従事しており、使用者の直接の指揮監督下にないため労働時間の把握が難しい場合に対処するために設けられた制度です(労働基準法第38条の2)。 この制度は、労働者が労働時間の全部又は一部を事業場外で労働した場合において、労働時間を算定することが困難なときは、原則として「所定労働時間労働したものとみな … 続きを読む

基本給組込型の固定残業代が無効とされた事例

2019年10月15日By wpmaster判例

今回は、基本給に組み込まれた固定残業代の規定が無効とされた事例(東京地判平成30年9月20日労経速2368号15頁WIN at QUALITY事件)を紹介いたします。 会社側は、トラック運転手の拘束時間が1日12時間に及ぶことを前提に、1日の法定労働時間の上限である8時間を超える4時間分につき一律1.5倍の割増しをし、「(基本給802円)< 1.5倍) … 続きを読む